2017年10月23日月曜日

10/17〜10/23

十月十七日


久々に長い夢を見た。映画の撮影所で、子役の代理の子供たちが無理矢理寝かしつけられている。スタッフは皆随分と生意気だった。ゴキブリがいるらしく、それをなんとかしろと互いに押し付けあっている。私はそこから出なければならなかった。来た時にくぐれたはずの穴は、大人の身体では到底くぐれなかった。天井のロープを伝って渡ろうとすると、向かいから小猿のような少年がロープを滑ってきて「ゆらさないで!」とか言ってくる。「わかった! 後にする!」と無理して元気に答えたが、彼はロープの真ん中で自らのリュックを炎上させたり、それを素手で消したりしていて一向にロープを譲ってくれない。すべてが終わるまで天井裏で待とうと思った。待っているうちに眠ってしまった。何度も誰かにゴキブリのことで殺虫剤を持っていないかと呼ばれる。その度に寝ていてはいけないと思ったが、あまりに眠たく、またあまりにも頻繁に起こされるので、夢の中なのだから別に寝ていてもいいじゃないかと開き直って、そして目が覚めた。




十月十八日


カーテンを開けたら目の前に鳥の巣があった。触れる距離ではなかったが、目線の高さでまじまじと鳥の巣を見るなんてことは初めてだった。よく出来てるな、なんて見てたら中に卵が三つ程ちょこんと乗っている。うち二つは上の方が割れていて、一つはたまご型のままだった。親鳥らしき鳥は近くにおらず、時期も時期だしきっとこの卵が孵ることはなさそうだった。卵の中になにかしら残っているのであれば土に埋めるなりしたかったが、手が届かなくてどうすることもできなかった。からっぽの命が目の前にあるのに輪郭に触れることもできない。もどかしかった。指先がひりひりする。





十月十九日

雨続きで滅入っている。あと、最近なにかと足がつるので、結構真剣になやんでいる。下手すると両足が同時につる。一度つるとなかなか治らなくて、まさに絶望する。三途の川のこととかつい想像してしまうほど。両足つってるとまともに歩けないので、三途の川行っても渡れないけど。




十月二十日

衆院選間近。駅前で気合いの入った演説が行われている。候補者が革命、革命と声をあげる度に歓声と拍手が起こる。私はバスに乗らなくてはいけなかったのでその横を小走りで通りすぎる。革命っていうのはいま立っている踏んでも蹴っても変わらない地面を、ぱたりぱたりと畳んでいくみたいなかんじで起こすのだろうか。畳んだら違う足場があるか、あたらしい地面を作るかするんだろうか。大雨の中バスは定刻通り発車して、私は地続きに移動した。起こすならどんな革命を起こそうか。




十月二十一日


栗ごはんを作りたかったが、栗の防御力が高すぎて、毎時3こくらいのペースでしか剥けないかんじだったので、3こむいて諦めて飲みに行った。冬のコート等を出した。



十月二十二日


台風が来ていて土砂降りの中、選挙の投票に行った。投票所は小学校なんだけど、入ろうとしたら靴箱のところでおじさんがつかみ合いの喧嘩をはじめるところだった。発端は傘がぶつかったとかそういうことらしかったが、投票にきているというだけのことで二人とも無駄に正義感を振りかざしているような態度に見えた。何にせよ、小学校でおじさんたちが喧嘩してるのはなんか変。





十月二十三日


台風一過。久々のはれ。でもまだ風がつよく吹いていた。どんぐりがすごいことになっていた。どさどさ落ちていた。どんぐりの先はけっこう尖ってるので、何気にあぶない。いそいで仕事に行く途中だったから、拾ったりはしていない。拾いたかったな。






2017年10月17日火曜日

10/12〜10/16

十月十二日


仕事の帰り際外でバリバリ聞こえたので雷かしらと思って外に出てみたらディズニーランドの花火だった。遠いが綺麗に見えたのでそのまま眺めていると足元でニャアニャア猫の鳴き声がした。猫も花火を見たいのだろうかと思ってあたりを見回すも見当たらず、花火そっちのけで探しはじめると声も止むのだった。それだからまた花火をみて、するとまた猫が鳴く。しゃがんで探すと聞こえなくなる。なんなんだ。鳴いてるかんじは幻とかではなさそうなのに、おかしいなと思っているうちに花火はクライマックスに差し掛かかりつつあり、もう諦めて花火見よう、と立ち上がったらすぐそばの植え込みから黒猫がにゅるんと現れた。それは夜の闇から溶け出してきたみたいな登場で、溶け出すほどおなかが空いているのかにゃあにゃあと大きな声で鳴きながらこちらに向かってくる。あいにく何も持ち合わせていなかったので力になることができず、撫でようと思うと逃げられ、じゃあ花火を見ようと思うとまた寄ってきてにゃあにゃあ鳴く。猫が大好きなのでそういうふうにされるとどうしても構いたくなってしまう。しかし構うと逃げられる。結局花火も猫もろくすっぽ見られないまま終わった。



十月十三日


カンガルーをもう一度ちゃんと見たい。カンガルーの絵をちょっと描いてみてといわれて、がんばって描いたけど妖怪みたいになってしまった。カンガルーは昔、サファリパーク的なところで見たことがあるけど、けっこう体がごつくて、下町の不良が大人になったみたいな目つきで、めちゃくちゃダラダラ寝ていた印象しかない。ポケットにちびを入れてなかったし、ちびはちびでそのへんに寝そべって寝てた。そんなちっちゃくもなかったから、もうサイズ的に入らなくなってたのかもだけど。




十月十四日


ねむたくてねむい。雨続きでげんなりする。吉祥寺の映画館があったところにラウンドワンができていたので、すごく久々にボウリングをした。ぜんぜんできなかった。




十月十五日


雨の中終電ダッシュして、ずぶぬれになって、日曜の夜のいまいちパッとしない終電の中でエウレカ見ながら泣いた。





十月十六日


雨水に濡れたカステラ、痺れながらつる足、コンテナでぐっすり眠るヒアリ。



10/8〜10/11

十月八日

一昨年くらいから金木犀のにおいがいきなり全然わからなくなって、秋のある部分だけずっと空欄のままみたいなかんじがしてる。



十月九日

終電にのろうと駅ホームへ続く階段を駆け上がったら、つい先程そのホームで身投げがあったばかりのところだった。怯えてるひと、驚いてるひと、困ってる人、焦ってる人、冗談を言って笑ってる人、ベンチで寝てる人、失笑のひと、怒ってるひと、狼狽してる人、死んでいる人、等がいて混沌とした状況で、それらの人々のたてる声や足音、駆けつけたパトカーや救急車のサイレン、あわてた様子の駅アナウンスのけたたましさも刺々しくだんだん頭が真っ白になってしまった。逃げるように駅を出て歩き出したが途中でタクシーつかまえて帰った。運転手さんがやさしかった。



十月十日

朝、昨日とはちがう路線でまたも人身事故。電車はとまり、満員電車内でしばらく足止め。今日はどうやら学生さんだったらしい。思えば三連休明けか。ああここにいま飛び込めば、と思ってしまう気持ちが理解できないわけじゃない。腕を引っ張られるような、脚をとられるような感覚も、あると思う。ただこう続けざまに遭遇してしまうと、こちらもなかなか気持ちがしんどくなる。




十月十一日

ハロウィンになんかする予定もないのにハロウィンの飾りつけ用の紙モノとかカボチャとか買いたくなってしまう。ハロウィンの仮装、やったことないがやるならチャイナドレスを着てしっぽりと高級中華でも食べたい。渋谷あたりにいい店があるらしいがハロウィンの渋谷は百鬼夜行のようになっているのであまり行きたくない。渋谷でハロウィンを楽しむ人たちの仮装は、思わず唸るセンスの人もいるけど大半が露出勝負だ。あの人たちに勝とうと思ったらチャイナドレスじゃなくて、般若面にビキニで歩くくらいしないとだめだ。頭にカボチャかぶってビキニでもいいか。



2017年10月7日土曜日

10/2〜10/7

十月二日

十月に入りしゃっきりと寒くなった。去年もたしかそうだった。針のような冷たい雨が降って。それからは地獄みたいな日々だった。



十月三日

家の中が百合の匂い。祖母の命日が近い。




十月四日

涼しくなってきたので、節約と健康のためまた仕事にお弁当を持っていくことにしている。弁当箱をこわしてしまったのでちっちゃいタッパーにおかずを入れておにぎりを別で持っていく。おかずは週末に作り置きか夕飯の残り及び冷凍食品がすべてで朝に調理を行うことはまずない。面倒だから。いわゆる超手抜き弁当。なのでなるべく人には見られたくないんだけど、今日はたまたま見られてしまい酒のつまみセットみたいと言われてしまった。恥ずかしかったし、言われてみればほんとにそんな感じだったので、次からはなんかお弁当っぽいものも入れようと思い帰りにミニトマトとアンパンマンポテトを買った。アンパンマンポテトの期待値が高い。アンパンマンポテトさえあれば、もう誰も私の弁当を酒のつまみ弁当だなんて思いもしないだろう。なんならキャラ弁と呼んでもらってかまわない品になる。明日のお弁当が楽しみ。この歳になってアンパンマンポテトでこんなにわくわくすると思わなかった。


十五夜団子の代わりに葡萄。




十月五日

田園調布のあたり、散歩するのにすごく良い。東京の暮らしがきちんと根付いてる気がする。それから外苑のあたりも良い。最近行ってないので、久々に歩きたい。昔、外苑らへんをひとりで散歩していたときに、上品なおばあさんが、目の真っ赤な白ウサギを連れてゆっくり歩いてるのに遭遇したことがある。ずいぶん大きなウサギで、どきどきしながら見ていたら、ウサギもまた赤い目でじっとこちらを見返してきたのだった。あのとき、ウサギと見つめあっている間、目線を動かそうにも動かせなくなって、時間がとまったような気がした。おばあさんが笑って、それで時間が戻った。あれって夢だったのかもしれないな。高3の冬の出来事。


ちなみに眠すぎて今日はお弁当おにぎりだけだったのでアンパンマンポテトは来週から。




十月六日

時々、何もしてないのに犬にめちゃくちゃ攻撃されるときがあって、今日はスーパーの前で飼い主の買い物を待っているらしい小型犬に物凄い剣幕で吠えられ、飛びつかれそうになった。それはもうリードがぶち切れそうな勢いで、顔も般若みたいになっていた。怖かったので謝って逃げた。前を通っただけなのにな。私の前世は犬殺しかなんかなのかな。犬すきなのにな。


犬に動揺して夕食の買い物もままならず。



十月七日

土曜の昼食がそうめんや冷やし中華からあたたかいうどん、そばに。きょうはきのこそばにした。きのう犬に動揺しながらたくさん買ったきのこたち。




2017年10月2日月曜日

9/27〜10/1



九月二十七日

日記のようなものを再開。九月が超特急通過、みたいなかんじで終わろうとしている。




九月二十八日

夏は「下駄を普段使いする」というちょっとした生活目標があり、実際下駄を普段履きしてすごくいい気分だったので、冬も何かそういう生活目標を考えようと思ってる。何がいいかな。ちなみに友達に案を募ってみたら「ウォッカ等の強い酒の小瓶を持ち歩く」というのを提案された。どうなんだろう。




九月二十九日

思わぬ連休となったので弾丸で京都でも行こうとしたが、紅葉もまだだしいくつかの約束もあったので、また今度にして東京にいる。せっかく休みなので動物園に行ったら、すごくしょんぼりしているテナガザルがいた。何があったか知るよしもないけれど、帰ってからもずっと気になっている。心配。そんな顔するのか。








九月三十日

近頃は詠む短歌すべてが「夏が終わるのが寂しい」みたいなものばかりで、もう九月も終わるというのに往生際が悪いって。短い秋を楽しんだ方が絶対に良いのはわかっているんだけど、やっぱり夏が恋しい。なんなんだろう夏のあの、ゼリーの中に住んでいるみたいな幻のかんじは。

往生際がわるいので、夜に少しだけ余ってた花火をした。夜はもう露骨に寒くて、もうここはゼリーの中ではない。夏はおしまい。あしたから、十月。




十月一日

枯れた曼珠沙華を見ると火をつけたくなってしまう。毎年、ちょうど彼岸の時期に急に咲く姿は発火を思わせる。萎れていく様もまるで燃え尽きていくようだ。もしもう一度火をつけたら、再現映像みたいにまた早々と燃え尽きるのだろう。