2017年2月8日水曜日



始発にのるから、外はまだ暗いのにカーテンをあけなきゃいけない日が3日くらい続いて、かえりみちは、気温がたったの2℃くらいしかなくて、足りない、足りない足りない。そのわりに、北風だけは出し惜しみがないようだし、これはさすがに独りごとも言っちゃうわ。がまんしてる方だよ。だってね、唇の端が、日に日に裂けていくんだ。言いたいこと、言わないからだね。そのうちリアル口裂け女になっちゃうよ。
わたしってきれい?  わたしのことどう思う?  わたしのこと好き? え? べっこう飴?  ありがとう、わたし、違う素材に生まれ変わらなきゃいけなくなったらべっこうになりたいと思ってんだ。だから助かる。カラメル。抱きしめてあげる。まあ口が裂けてるから、キスはおあずけだけどね。あ〜あ。わたしの口、裂けてなかったら良かったのに。あなたもそう思ってるでしょ?  (思って。)  ああ、わたしったら何言ってんだろ、ごめんね、さよなら。と、口裂け女はそう言って、くるりと背を向け小走りで去っていった、とかいって。なんちゃってね。

お風呂場の、鏡にうつった自分の裸が、あんまりエロくなくて、おちこ
まない。別におちこまない。

カーテンは朝になってからあけたい。